俳句同好会「ミクニハイク」
 2024年に誕生した俳句同好会。卒業生や現役生から広く参加者を募っています。指導・講評にあたるのは元母校教員の田中春生さん(俳人協会幹事・朱雀俳句会主宰)です。
第3回ミクニハイク実施のご報告と選考結果
2024年から始まった「ミクニハイク」も、今回で第3回目の句会となりました。今回のテーマは「本にまつわるエトセトラ」。ちょうど年次総会の時期の俳句募集ということで、同総会のゲスト・トークショーからヒントを得ました。
計76句ものご応募をいただきました。ありがとうございます。
今回も、田中春生先生(元三国丘高校数学教員)による厳正な審査の結果、以下の句が入賞・入選いたしましので、ご報告いたします。受賞された皆さま、まことにおめでとうございます。
【春生賞】
長岡(鷺岡)喜美子 高45 捨てられぬ絵本手にとり秋深し
〔評〕
こどもが幼かった頃に何度も一緒に楽しんだ絵本。成長した今は本箱の隅に押しやられて、開かれることもなかった。楽しい思い出の詰まっている絵本なので、読まないからといって捨てることもできない。手に取ってしみじと昔を思い出す作者。その思いを「秋深し」の季語が支えている。季節の深まりが同時に、人の生涯の深まりをも感じさせる。
【入選】
井本雅子 高22 星月夜付箋の頁読み返す
〔評〕たまたま手に取った本。ああ、こんな本も読んだなあ、と昔を懐かしみながら、つい付箋のついた頁を読み返す作者。付箋をつけた時の思いがありありと蘇って来たことだろう。
藤田祥子 高25 秋風がやさしくページをめくってく
〔評〕机の上には、開かれた一冊の本。そのページを風が静かに繰っていく。ゆっくりと一ぺージずつ、まるで風そのものが本を読んでいくかのように。からりと乾いた爽やかな秋の風ならではの情景である。
中野亘子 高7 どくだみは白を誇りて庭に満つ
〔評〕ドクダミは十薬とも呼ばれ、鮮烈な白い花を咲かせる。繁殖力が強く、あっという間に繁茂して処置に困ることも多い。そんなドクダミの生命力の強さを花の白さに見て取ったところが巧みな作品。
石田孝文 高19 本読む手止めて見上げる秋の空
〔評〕読書に熱中していた作者。爽やかな秋の風を身に感じて、読むのを中断したのかも知れない。視点を上に向ければ澄み切った秋の青空。本の世界から、現実の世界に呼び戻された心地がしたに違いない。
(2025.10.8)
ミクニハイク 句会のお知らせ

酷暑の候、いかがお過ごしでしょうか?
第3回のミクニハイク(俳句会)のお知らせです。
先日の三丘年次総会にご出席の皆さまには、各テーブルにまわらせていただき、投句していただきました。たくさんのご応募ありがとうございました。 引き続きオンラインで8/20まで投句を募集しております。
今回の句会では、テーマを「本にまつわること」と設定いたします。
読みかけの本、古書店の香り、ページをめくる音、心に残る一節など、本から広がる様々な情景や感情を五七五に込めてみませんか。
三国丘高校ご卒業の皆様はもちろん、ご家族の方々も奮ってご投句ください。 俳句初心者の方も、ベテランの方も、ご自身の句に加えて、他の参加者の句から新たな発見や気づきがあることと思います。
今回も、田中春生先生に皆様の句を丁寧に批評していただきます。先生の温かくも的確なご指導は、きっと皆様の俳句の世界を広げてくれることでしょう。
開催概要
* 名称: ミクニハイク
* 開催形式: 非対面(句の投句と批評文の送付により進行します)
* 句の投句締切: 令和7年8月20日
* テーマ: 「本にまつわること」
* 批評: 田中春生先生
投句方法
以下のいずれかの方法でご投句ください。
* Googleフォーム: https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfyNk3e-D7yUPu-Hu9MIf2nSaswTlKk_wKsLsM2bC8W9edDXQ/viewform
* 郵送: 〒590-0023 堺市堺区南三国ヶ丘町2丁2−36 三国丘高同窓会館内 ミクニハイク係
暑さに負けない皆様のエネルギッシュな投句を心よりお待ちしております。
(2025.7.28)
投句をお待ちしています
昨年、先輩方から引き継ぐ形で「ミクニハイク」を立ち上げました。第1回はオンラインと総会での投句募集。おかげさまで多くの方に投句いただきました。第2回は高石市の小林美術館にて素敵な作品を鑑賞した後、元三国丘高校教諭・句会「朱雀」主催の田中春生先生指導の下、対面での句会を開催。楽しいひとときを過ごすことができました。俳句を通じて交流が広がる喜びを改めて実感しています。さらに、この度、元三国丘高校書道教諭の真鍋井蛙先生より作品を揮毫してくださるとのお話もいただきました。今年もさらに魅力ある会にしていきたいと思いますので、ぜひご参加ください。
卒業期や経験の有無など一切関係なく、一緒に季節の移ろいを詠み、味わいましょう。皆さまの投句を心よりお待ちしています。
〔2025年・記=高42回・頼由起、高43回・井阪(土井)あゆみ〕
第一回ミクニハイク結果発表
今春産声をあげた「ミクニハイク」。6月に行われた「第一回ミクニハイク」では、同窓会報に記事が掲載されたこともあり、78句のご応募をいただきありがとうございました。
田中春生先生(元三国丘高校教員・俳人協会幹事・朱雀俳句会主宰)による選評がおこなわれ、受賞作品が決定いたしました。
【田中春生賞】
宮﨑光子 高18 水羊羹返事あるまで夫を呼ぶ
(評)水羊羹を準備して一緒にお茶を、と思う作者。別の部屋にいる筈の夫を呼ぶのだが、何度呼んでも返答がない。何かに没頭しているのか、あるいは昼寝の最中なのかも知れない。覗きに行くのではなく、坐ったままで繰り返し呼ぶところに夫婦の関係がほのぼのと見えて俳諧味がある。
【ミクニハイク賞】
田畑麻紀 高32 秋晴や大きな大きなオムライス
(評)季語「秋晴」の爽快な気分が一句に充満している作品。屈託のない楽しい気分が「大きな大きな」という繰り返しによってしっかり伝わってくる。好物のオムライスを前にした作者の微笑む顔が見えてくるようだ。
四井素代子 高3 うまいなァーやすみやすみの缶ビール
(評)若かったときのようには一気には呑めなくなった缶ビール。一口呑んでは味わい、また一口呑んではまた美味いと思い、ゆっくり時間をかけてビールを楽しんでいる様子がいきいきと描かれている。
丸本八津男 高21 寡黙なる子と葉桜の下歩む
(評)黙って葉桜の並木を歩く親と子。幼かったときと違い、思慮深く寡黙な子に成長したのだろう。その成長を噛みしめながら子と共に歩くことに喜びを感じている作者。季語「葉桜」が瑞々しい情感を増幅する。
【入選】
井阪あゆみ 高43 時鳥負けじと輝くアンタレス
戸堂博之 高7 無人駅ピアノ奏でて山笑う
押見げばげば 高49 木の実落つ棺のやうな電話室
前田秀一 高7 田植え機や水面の空に緑挿す
藤井光正 校長 バス停の背中を囃す牛蛙
前田牡丹 高36 足湯つけ一人食むなりくずまんじゅう
入江典子 高29 ドングリを拾い集めて君想う
西村敏治 高7 校庭を訪い後輩の声炎天下
中野亘子 高7 手に採れば珊瑚樹の実は陽を返す
都福 仁 高7 空家裏キタキツネ来る夏の暮れ
 (2024.8.9)
俳句同好会「ミクニハイク」へのお誘い
三丘同窓会高校7期生の先輩方やそのご家族、現校長先生が中心になって活動されているアカシア俳句会という句会があります。近年、元教職員の田中春生先生がこの句会の指導をしてくださっています。
去年8月には母校の視聴覚室において、田中先生の講演会「俳句のイロハを教えます」が開催され、現役生も含めた投句やアカシア俳句会の皆さんによる模擬投句会などで大変盛り上がりを見せました。
そこで、このたび、田中先生のご指導のもと、7期の皆さまや現役生だけではなく、三丘同窓会の中でも広く俳句の輪を広げていこうという運びになり「ミクニハイク」が誕生しました。
折しも、ここ数年、テレビ番組などで俳句ブームの波がやって来ています。
17文字に色んな想いを馳せる「俳句の妙」は、日本語の美しさを再認識でき、何気ない日常に息吹を感じ、さらには脳の活性化にもなります。
常日ごろ俳句を詠まれている方はもちろん、この機会に俳句を始めてみようという方にも期を問わず是非ともお気軽にご参加いただきたいと思います。

navigator 頼由起(高42期)・井阪あゆみ(旧姓土井・高43期)
