音楽に癒され、川淵さんのスピーチに感動
──記念式典に続き「創立130周年祝賀会」開催

フェニーチェ堺での式典後、祝賀会の開会まで少し時間があったので、早めに着いた人にはお抹茶と肉桂餅のサービスが用意されていた。思いもかけず堺らしい歓待を受けて、出席者は和やかにお茶とお菓子をいただきながら開会を待った。なお、このお抹茶のお点前は表千家の茶道の指導者である小高陽子さん(高20回)とお弟子さん方のご厚意によるもので、肉桂餅は堺の和菓子の名店八百源来弘堂の店主岡田巧さん(高31回)のご寄付によるもの。
準備が整って部屋に入ると、正面には力強い文字で揮毫(ごう)された横断幕が飾られていた。母校3年生(78期)・書道部の長尾和奏さんの筆によるものとのことだ。
若手同窓アーティストたちの素晴らしい演奏
開会を待っていると、オーボエが奏でるパッヘルベルの「カノン」が流れてきた。美しい音楽に気が付いて、それを聴こうと会場が少しずつ静かになっていった。曲が終わると、今年の総会でエレクトーンを演奏してくれた西田夫佐さん(高35回)が、今回は司会者として登場し演奏者を紹介してくれた。伊石昂平さん(チェロ・高65回)、荒木良太さん(オーボエ・高68回)、そして遠藤康子さん(ピアノ・高44回)の3人だ。紹介が済むと、演奏が再開された。曲目は多くの人になじみがあるエルガーの「愛の挨拶」、チャイコフスキー「白鳥の湖」、サン=サーンス「白鳥」、モリコーネ「ニューシネマ・パラダイス・メドレー」。深みのある落ち着いた美しい旋律に客席は次第に引き込まれ、じっと聴き入っていた。演奏が終わるとその素晴らしい音楽に大きな拍手が湧き起こった。
左から荒木良太さん(オーボエ)、遠藤康子さん(ピアノ)、伊石昂平さん(チェロ)
募金9割達成、心から感謝!/会長挨拶
いよいよ開会となり、記念事業実行委員長である同窓会長仲林信至さん(21回)より、「『母校への想いをカタチに』を合言葉にご協力いただいたご寄付は、目標額のほぼ9割を達成し、すべての記念事業を予定どおり遂行することができました。また準備を担ってくださった実行委員の皆様には、3年間にわたりお世話になりました」と謝辞があった。また「母校130周年の歴史は歴代校長を始め教職員の皆様のご努力と生徒一人ひとりの頑張りの結集によって創られたもので、心から感謝します」と語り、「この祝賀会が皆様の夢と母校の未来を語り合う楽しい会になりますように」と挨拶があった。「We love MIKUNI Est.1895」/校長挨拶
続いて、藤井光正校長より「式典の準備を進めるにあたり、たくさんの方にご協力いただきました。同窓会に引っ張っていただいて、PTA、教頭や首席を始め先生方も協力体制を取りながら、ひとつになったからこそできたこの式典でした」と謝辞があり、その後出席者の手元に配られた「どら焼き」が紹介された。今年から台湾への修学旅行が復活することになり、お土産に130周年記念のどら焼きを作ってもらったそうだ。表面には「We love MIKUNI Est.1895」の文字が。これは校長の発案とのこと。「『I love』ではなく『We love』にしました。みんなが三国丘を愛しているのだという思いからです。これからもその思いで学校運営を進めていきたい」と挨拶があった。開宴の挨拶は同窓会相談役・前会長の今西邦夫さん(高23回)。「今日はご出席いただいたお一人おひとりが主役です。それぞれの母高愛―三丘愛を確認できる場として世代を超えた交流が広がることを願っています」と乾杯のご発声があり歓談が始まった。
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| 仲林信至会長 | 藤井光正校長 | 今西邦夫相談役 |
歓談の途中で実行委員会祝賀会部長の丸山芳美さん(高25回)による130周年記念映像「文武両道の先駆者たち~130年の今を生きる~」が上映された。 様々な分野で名を成した卒業生の紹介や、先輩に追いつけ、追い越せと各地で頑張っている若者たちからの母校130周年へのお祝いのメッセージが流れた。
川淵三郎さんがスピーチ
──どこに帰りたいかと聞かれたら三国丘高校の時代に帰りたい

映像の上映が終わると一昨年文化勲章を受章された日本サッカー協会相談役の川淵三郎さん(高7回)よりスピーチがあった。
川淵さんは、式典や澤芳樹さんの講演が本当に素晴らしかったと述べたあと、ご自分の高校時代を中心に興味深いエピソードを多数語ってくれた。
サッカーにまったく興味がないのにサッカーを始めた経緯や、浪人時代、勉強をせずに高校へ来てサッカーばかりやっていた、次の年もまた浪人になり、結局5年間も三国丘でサッカーばかりやっていた、先のことは何も考えずにただただサッカーをしていたことが、今の自分を作った。好きなことを徹底的にすると道が開けるものだと感慨深げに語った。
4学年下のプロ野球選手になった高木喬さん(高11回・近鉄)がバッティングを始めると打球が飛んできて危険で、サッカーの練習を中止にしたことなど、興味深い話が次々と。
最後に「本当に居心地のいい学校だった。どこに帰りたいかと聞かれたら三国丘高校の時代に帰りたいとずっと言い続けている。三国丘高校の5年間(!)に感謝したい」と締めくくった。
校歌斉唱、感動のうちに終盤へ
感動的な川淵さんのスピーチの余韻が残るなか、遠藤康子さんのピアノと伊石昂平さんのチェロの伴奏に合わせて出席者全員で校歌を斉唱した。
いよいよ祝賀会も終わりに近づき、PTA会長の長瀬陽子さんから130周年記念事業で校内の設備が整えられたことに保護者の代表としてお礼の言葉があった。
宴の最後に飯端壽昭同窓会副会長(高15回)が登場し、「母校は150周年、200周年に向かってますます進化・発展し、存在感を示してほしい」と挨拶があり、祝賀会は幕を閉じた。
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| 長瀬陽子PTA会長 | 飯端壽昭同窓会副会長 | 司会の西田夫佐さん |
出演者プロフィール
【チェロ】
伊石昂平(いせき こうへい 高65回)
岸和田市出身。母校在学中は弦楽合奏団に所属。
神戸大学卒業後、東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程修了。
2018年第72回全日本音楽コンクールチェロ部門大学の部全国1位ならびに日本放送協会賞、かんぽ生命奨励賞を受賞。
現在は東京と大阪を中心にソロや室内楽、オーケストラの客演など幅広く演奏活動を行いながら、後進の指導にもあたる。 2015年の同窓会総会ではアンサンブル「Merci(メルシー)」の一員としてチェロを演奏。
【オーボエ】
荒木良太(あらき りょうた 高68回)
堺市出身。母校在学中は吹奏楽部に所属。
大阪大学へ進学するも卒業と同時に東京藝術大学音楽学部器楽科へと進学し、首席で卒業。現在同大学大学院修士課程在籍中。
4年次在学中に東京交響楽団のオーディションに合格し現在首席オーボエ奏者を務める。
2022年第37回日本管打楽器コンクール第1位ならびに東京都知事賞、文部科学大臣賞受賞。
120周年記念式典では、母校在学中(高校3年生)で、指揮者体験に参加し、関西フィルハーモニー管弦楽団を指揮した。
【ピアノ】
遠藤康子(えんどう やすこ 高44回)
高石市出身・在住。
大阪音楽大学音楽学部ピアノ科専攻卒業。同大学院アンサンブル研究室修了。
第1回デュオハヤシ国際コンクール第1位。ピアノを川上孝子、小林峽介、(故)中島和彦、林由香子の各氏に、室内楽をデュオハヤシに師事。
現在、大阪音楽大学演奏員、箕面福祉保育専門学校非常勤講師。
(2025.12.14)






