「創立130周年」でも大活躍/3年生(78期生)の長尾和奏さん

上の写真は母校創立130周年記念事業で記念品として配布されたキーホルダー。旧三丘会館(三丘資料館)の改修で床を張り替えることになったが、古い床板をなんとか残したいという思いから、キーホルダーとして生まれ変わらせたものだ。
片面には三国丘高校の校章と隷書体で書かれた「大阪府立三国丘高等学校」の文字、もう一方の面には堺中学校の校章と「創立130周年記念 1895-2025」の文字が焼き付けられている。この元になる文字を書いたのは3年生の長尾和奏(ながお わかな)さんだ。
長尾さんは昨年の大阪府高等学校芸術祭文化祭書道部門で優秀賞を受賞。その後、大阪府議会だより2025年7月号にも題字が採用されるなど活躍中。先ごろ開かれた創立130周年の祝賀会でも、横断幕の見事な筆文字が来場者の注目を浴びたが、これも長尾さんの揮毫によるものだ。キーホルダーは落ち着いた印象の隷書体で書かれているが、府議会だよりや横断幕では力強く、ダイナミックな筆さばきが個性的だ。

創立130周年祝賀会の会場に掲げられた横断幕。

府議会だより2025年7月号の題字。
「ああいうスタイルはどうやって生まれたんですか」と長尾さんに聞くと、「『始平公造像記(しへいこうぞうぞうき)』の書体が好きで…」と答えてくれた。もともと大きな文字を書くのが得意だが、中国の北魏時代の書である始平公造像記には特にひかれ、昨年の大阪府高等学校芸術祭に照準をあわせて臨書を重ね、勉強してつくりあげたものだそうだ。
書道は8歳の頃から習い始めた。ピアノも並行して続けているが「集中して字を書く時間が好きなんです」という。
取材は放課後の書道教室で。この日の書道部は、後輩たちが世古真由美先生(高47回)の指導のもと、翌週に行われる三丘書道展に出品する作品の表装に取り組んでいた。長尾さんら3年生はすでに引退、進路を考える時期だが、進学先について長尾さんは、特に書道に限定することは考えてなく、まだまだ広くいろんなことを勉強したいと考えている。これから長尾さんも、長尾さんの書もさらに成長していきそうで、とても楽しみだ。

自作(今年の三丘書道展出品作である袁安碑〔えんあんひ〕の臨書)の横に立つ長尾さん。袁安碑(えんあんひ)は、中国の後漢代に名宰相として活躍した袁安の墓碑で、篆書による碑として知られている。
