三丘同窓会

「丹波猿楽」ゆかりの地に能楽堂建設へ/高44回・上田敦史さん


 能楽師の上田敦史さん(高44回)=写真=といえば、2020年9月の三丘アカシアトークカフェの講師として、袴姿で小鼓を打つ姿を覚えている人も多いのではないだろうか。

 能楽師の家に生まれ、高校時代には能楽師になると決めていた上田さん。現在は能楽囃子大倉流小鼓方で重要無形文化財総合認定保持者。2014年に兵庫県丹波市に移り住んでからは地元を拠点に新作能を発表したり、子供たちを集めて新作狂言を上演したり、と精力的に活動、数々の受賞も果たした。
 2021年には伝統芸能を活用したふるさと観光資源の企画・開発・制作を行うための株式会社「伝楽舎」を立ち上げた。

 現在、上田さんが取り組んでいるのは丹波ではじめての能楽堂の建設。もともと丹波は能楽発祥の地のひとつであり、丹波猿楽ゆかりの地。だが、専用の能舞台はなく、これまでは文化ホールや学校の体育館などにそのつど特設舞台を設置して上演してきた。能楽堂の建設で丹波猿楽を再び盛んにし「1000年残る地域の宝」にする。地域の活性化、そして未来も見据えたプロジェクトだ。
 建設地は同市内氷上町の「いそ部神社(『いそ』は山偏に石)」鳥居前。能舞台のほか和室、茶室や囲炉裏なども併設される。夏頃完成、秋にこけら落とし公演を計画している。

 建設にあたっては観光庁からの補助金も活用するが、寄付も受け付けている。個人は一口1万円、法人は一口5万円。 くわしくはサイトで。

(2025.1.30)