三丘同窓会

母校への思い、次世代にもつなげたい/幹事さんに聞きました=高21回=

 高21回は学生運動が盛んな1969年に卒業。東大入試が中止となり入試が混乱した学年である。「どの大学も入試が厳しくなり、入学後も半年から1年も授業がないこともあった」「浪人が多かったな~」と当時を振り返る。多様な情報発信で同期の絆をつなぎ、加えて三丘同窓会本部(以下、本部と略)からの情報も精力的に発信しているのが高21回の特徴。今回は長年裏方を務めてこられた皆さんにお話をうかがった。


左から葭場義一、大植潔、丸山登志子、仲林信至、嶋原洋子のみなさん


 第1回学年同窓会は94年に旧校舎の講堂で行った。「卒業25周年で、仕事も軌道に乗ってきた時期でちょうど良かった。旧校舎が撤去されると聞いてぜひとも出席したいと思った」と語る。母校100周年の前の年で、本部から寄付のお願いがあったのがきっかけだった。241人も集まり盛況だった。その時は卒業時に決められたクラス幹事を中心に幹事団を結成。宛先不明者を調べて住所録を作成するのが大変だったそうだ。今は本部の宛名シールや住所非開示の人への代送サービスを利用している。
 その後は5年に1回、途中から3年に1回のペースに。直近では、第8回を2023年11月5日に開催し、98人が集まった。「学年同窓会の幹事は毎回変わる。幹事を頼まれたら断らない人が多い。順番にやろうという意識を多くの人が持っている」と語る。

飲み会の口実?「21みくにフォーラム」は講演会と懇親会がセットで
 「21みくにフォーラム」は講演会と懇親会がセットの企画で第1回幹事団が始め、年に2回開催している。学年同窓会の後、たびたび幹事団が集まって飲み会をしていたら、「そんなに飲み会ばかり行ってどうするの?」と家族から苦情が出たので講演会も始めた。講師は主に同期生が務め、毎回30~50人参加。「いざという時にあわてないための上手な葬式への取り組み方」「ゆとりと学力低下論争の裏側」「還暦を過ぎ、これからどう生きる?」など健康から時事問題まで内容は多岐に及ぶ。医師、大学教授といった専門家が多く、得意分野を活かした個人の協力が同期の活動を活性化させている。
 以前は懇親会の会場で講演してもらったので「30分くらいしたら早く飲みたくてみんなそわそわし始めて」と思い出して苦笑。今は講演会と懇親会の会場は別にしている。「飲み会の口実には最高。うまく企画を続けられていることに感動しています」と語る。
 「ゴルフコンペ」も毎年開催、コロナ禍の前は「堺の町を歩く会」も開催していた。クラス会やクラブの同期会、ランチ会なども盛んである。

メルマガ、LINE、ニュースレター・・・さまざまなツールで情報発信

 ネットも活用した高21回の情報発信は質量ともに充実している。
 同期の会計報告やトピックス、本部の情報などをメールマガジンやLINEグループで発信。年2回の本部の幹事会の後で、本部の会計の状況や母校への援助など詳しい内容を報告。年次総会や三丘アカシアトークカフェの案内も送っている。高21回からの参加者が多いのもそのためである。学年同窓会の時にも本部の幹事会報告の文書を配布してアナウンスしている。
 一昨年からは同期のニュースレター「21回生便り」(A4判4ページ)を年に1回発行している=写真上。メールアドレスは集まる機会がある度に追加、更新しており、登録アドレスは214にのぼる。「ネットワークを作っておくと話を進めやすい」と語る。
 ホームページには卒業アルバムの全員の写真が名前付きで掲載されている(閲覧は21回生限定)。連載コラムから「みみずくの世迷言」という本が誕生したことは三丘会報76号にも掲載された。

年会費納入者数一位、その背景は
 「同期の人たちは母校の野球部の試合や、SGHやSSHの活動など、現役生の活動状況に関心が高い」と言う。「卒業生だから、後輩のために少しだけでもできることをしてあげたい。そのための組織を維持するのは必要」「同期会を開催するためには名簿の管理がかかせないが、それを本部がしてくれるのが大変ありがたい」と、年会費納入も積極的に呼びかけている。
 「メールマガジンで切々と会費納入をお願いしたら、一気に増えました。毎年会費納入状況の報告と納入のお礼、続けての納入をお願いしています」
 「本部のお金の使い方や活動などを詳しく教えてくれるのが、会費納入につながっていると思う」と他の方からも合いの手が入る。三丘同窓会の年会費納入者数はこの10数年間、全学年で1位だ。
 「誰かが何かを言い出したら、協力的な人が多い。すごく引っ張ってくれる人の存在が大きいが、脇役の充実ぶりが支えている。損得関係ない、信頼できる雰囲気が素晴らしい」との声。
 長く紡がれた確かな絆を感じることができた。そして次の世代にもつなげたい母校への熱い思いも知ることができた。
      
〔聞き手=高33回・村井薫〕