三丘同窓会

季節の花で彩りを/植え替え作業は卒業生らのボランティア

  母校の正門を入ったところに植木鉢やプランターが多数置かれていて、カラフルな花や観葉植物、ハーブ、レモンやオリーブの木などが植わっている。花は1年に2回、植え替えをするそうだ。作業をするのは理科の実習担当の堀内篤子先生、養護教諭の中野美智子先生、理科の松永美絵子先生、卒業生や在校生の有志から成る「お花植え隊」のみなさんだ。


 堀内先生が母校に赴任してきた14年ほど前、体育の夜久芳弘先生と社会の吉井康彦先生が花の世話をしていて、花が好きな堀内先生と中野先生も手伝うようになった。ところが夜久先生も吉井先生も退職し、人手が少なくなってしまった。10年ほど前、入学式の頃に正門を入ったあたりを見て、「あまりきれいじゃないなぁ」とつぶやいた先生がいたのがきっかけで、生徒会の担当だった堀内先生が、当時の生徒会の執行部の生徒たち(高68回生)に相談したところ、「じゃぁ、お手伝いします」ということになり、9人の生徒たちと先生たちで「お花植え隊」が結成された。
 花の苗の費用は当初、夜久先生や吉井先生が自費で賄っていて、退職するときに「お花基金」としてまとまった金額を寄付してくれた。その後、後援会担当の保里均先生や久山尚紀先生が後援会の予算から出すように計らってくれた。「お花植え隊」の生徒たちは卒業後も活動を続けている。メンバーの内、進学や就職で遠方に引っ越した人は来られなくなったが、その後の生徒会の執行部の生徒や、個別に声をかけた生徒なども加わり、現在のメンバーは14〜15人だそうだ。

 毎年春と秋、植え替え作業を行っている。今年も5月27日に作業をすると聞いたので、取材させてもらった。

 枯れた草を抜いて、新しい腐葉土・培養土などを混ぜ、土を柔らかく耕し、肥料を入れ、新しい苗を植える。今年は正門の横の植え込みのところも使ってくださいと言われたとのことで、かなりの作業量だ。午後1時に集まって、途中軽く休憩をはさんで3時ごろまで。ときどきおしゃべりをしながらも、手は止めずに熱心に働く。作業も慣れたものでスムーズだ。

今年は正門横の植え込みにも花が植えられた

 この日は予定が合わなかったメンバーが多かったそうで、集まったのは5人だった。いつもは10人ぐらい集まるとのこと。途中から松永先生と5歳の息子さんも参加。2年ぐらい前から参加しているそうだが、息子さんはこれをたいへん楽しみにしているとか。5歳だが働き者だ。
 終わったら「おやつタイム」。参加者が持ち寄ったおやつがいっぱい。壽健太さん(高68回)、小寺駿乃祐さん(高68回)、STさん(高70回)、山本桃華さん(高71回)、田中孝樹さん(高74回)と、この日は4学年の卒業生が集まった。違う学年の人と話をするのも楽しいと言う。
 おやつを食べながら話をしていると、リュックをかついだ和田誠さん(高68回)が「今、鹿児島から帰りました」とお土産を持って合流。仕事で伊勢へ行っていた柴谷友一朗さん(高68回)からは「何時ごろまでいますか」と問い合わせが来る。みんなこの集まりを楽しみにしているようだ。

 最初に始めた高68回生は、生徒会執行部時代には「雑用係」で、なんでもしたと言う。生徒規約の見直しもした学年だそうだ。みんな母校が好きで、この活動が楽しいという気持ちがあふれていた。

 本来なら大阪府の予算でなんとかしてもらいたいが、空調も全部の部屋には設置されていない状態だから、現実にはそこまで予算はつかない。彼ら彼女らがボランティアで母校のためにしてくれることに感謝したい。母校の近くを通ることがあったら、正門から少しのぞいてきれいな花を見てもらえたらと思う。

 
〔2023.6.9〕