三丘同窓会

総会も学年同窓会もやむなく中止・延期/コロナ禍、同窓会を直撃
 昨年来、新型コロナウイルス感染拡大防止のために三丘同窓会の年次総会を始め、各期の学年同窓会やOB・OG会その他の様々な行事が中止・延期になるなど、諸団体の活動が制限されている。その一方で感染拡大防止対策をとりながらイベントを実施したり、オンラインなどの新たな方法で活動を継続している団体もある。コロナ禍におけるこの一年の状況を振り返ってみたい。
     
準備を進めていたが・・・初の「総会中止」
 総会は2002年からホテルの宴会場で現在のような形で開催されるようになった。05年以降は毎年その年の西暦と一の位が合致する卒業期の同窓生から選ばれたメンバーで総会実行委員会が組織され、準備や運営が実施されている。昨年の総会に向けては高校20回、30回、40回、60回、70回から17名の委員が選ばれ(下表)、19年11月から準備が進められた。意見交換、検討を繰り返し、20年3月には八割がた内容が固まり、ゲストも決定していた。

 しかし新型コロナウイルス感染者数の増加に伴い2月下旬頃から多人数での集会が自粛されるようになり、4月7日に緊急事態宣言が発出されたことを受け、4月下旬に中止することが決定された。実行委員長を務めた浅野英治さん(高20回)は次のように語る。
「コロナ禍の下、総会が中止になるのはやむを得ないことかと思う。第一部の講師は同期で、総会での講演を第一優先で取り組む、と言ってくれていたので中止が決まった時は残念だったが、講師も第二部のゲストも今年度の総会に継承する方針となり、安堵している」。
 ちなみに総会が中止になるのは記録が残る限り初めてのことである。

影響はさまざまな面に
 一方で企画委員会が担当する三丘アカシアトークカフェや体験教室は、感染拡大防止対策をとりながら予定通り開催された。
 学年同窓会では、1961年から58年連続で開催していた高4回(三丘会報73号「幹事さんに聞きました」のコーナーで紹介)が10月に予定されていた第59回高四会の中止を余儀なくされ、連続記録が途絶えた。また昨年度60歳となった高31回も11月に予定していた還暦同窓会を延期。卒業50周年記念の学年同窓会を昨年開催予定だった高23回もオンライン(ズーム)で幹事会を重ね、延期を決定したほか、多くの学年同窓会が中止または延期となった。
 各クラブのOB・OG会を始め、諸団体では様々な活動がみられる。
 バスケットボール部のOB・OG会であるバスケット三丘会では毎年現役3年生引退後の7月に現役生とOB・OGの交流会を行っている。午前中に体育館で交流試合を行い、午後から三丘会館で懇親会を行うというイベントであるが、コロナ禍の中、一時は中止も検討された。しかし現役の3年生はインターハイが中止になったことにより、4月以降一度も試合ができていない状況であったため、顧問の先生とも相談し、感染拡大防止対策をしっかりとりながら交流試合のみ実施した。

一方で可能性が広がった面も

 大阪大学の教員、学生の同窓生で組織する阪大三丘会では恒例の新入生歓迎会を6月に開催する予定であったが、10月に延期、15日~17日の3日間にわたりオンラインで実施した。母校の濵﨑年久校長の挨拶に始まり、教員の講話や新入生へのメッセージなどが発信された。オンラインなので、阪大生以外の同窓生でも視聴でき、より多くの人に開かれたイベントとなっている。写真上は医学部教授・澤芳樹さん(高26回)の講話の画面。



 音楽部OB・OGを中心として結成された混声合唱団「かえで」では、集まっての練習が自粛される中で、自宅にて各団員が1人で録音録画したものをソフトで一つの音楽にする「テレコーラス」にチャレンジ=写真上はその1シーン。完成した作品は、合唱指揮者である本山秀樹氏らがクラウドファンディングにより立ち上げた「テレコーラス・プロジェクト」のコンクールにも出品し、公開されている。

 その他フェイスブックなどのSNSを用いて連絡を取り合う同期会、クラウドで画像や動画を共有する団体など、IT技術の活用はコロナ禍において確実に進化したように感じられる。コロナ禍が1日も早く収束し、リアルに集まって活動できる日が来ることが待たれるが、逆境を力に変え、新たな表現やコミュニケーションの可能性が広がったことは一つの収穫と言えるのではないだろうか。
(2021.6.2)