三丘同窓会

好評につき第2回! 「ウルトラかんたん篆刻教室」開催

 コロナ禍の憂鬱さを吹き飛ばすような晴天で暖かな2月14日、検温・消毒を済ませた参加者は三丘会館2階ホールに集合。ここで2回目となる三丘体験教室「ほれば印です─ウルトラかんたん篆刻教室」が開催され、事前に申し込んだ21名が参加した。前回の開催(2019年6月)から再度の参加者も6名いたが、半数以上が未体験の篆刻に挑戦。

 講師は前回同様、母校で長年(1990年度〜2013年度)書道の教諭を務めた真鍋井蛙(せいあ=本名・昌生)さん。真鍋さんは令和2年度の堺市功績者にも選ばれ、これまで名誉ある賞も受賞されるなど、書道・篆刻界で名をはせている。中でも真鍋さん考案の「マジック転写法」は全国的にも有名だが、この方法は母校在職中に思いついたそうだ。それもたまたま透明のデスクマットに写ってしまったプリントの文字を見てのひらめき。開発には当時の在校生の協力もあったそうだ。掃除道具に例えると、正統派の転写方法がほうきならばこのマジック転写法は電気掃除機に当たるとのこと。「知れば誰もが使いたがる」と真鍋さんはニヤリ。当時の著書「超かんたん篆刻」も在校生たちの協力のもと仕上がっている。

 その真鍋さんが、参加者が事前にお願いした字の印稿を一人一人に用意。多くの人が自分の名前の1文字を希望した。それぞれの何らかの作品に色を添えるものになるのだろう。今回は高28回の河中義和さんが15歳の時の書の掛け軸を持参。出来上がった印を真鍋さんに押してもらい、見守っていた参加者からは48年の時を超えて仕上がった軸に感嘆の声が上がり、拍手がわいた。

 今回の篆刻でも転写のために使用した寺西化学工業のマジックインキ(黄色)は、真鍋さんがあらゆるものを試したのちにたどり着いたもの。これは有機溶剤として含まれる物質の反応による。指導通りにマジックを塗ってみると、面白いくらい簡単にきれいに印材に転写された。注意点はいくつかあるが、基本的に誰でも簡単にできる!といううたい文句に間違いはない。

 
印稿を印材に貼り付け、黄色のマジックインキを塗った状態(①)。これを新聞紙などを下に敷き、ぎゅーっと押し付けると印材に転写される(②)

 ただ転写するところまでは本当に簡単ながら、彫るところは自分の力量が試される。細かい作業に四苦八苦しながらも、真鍋さんや一緒に指導してくれた世古真由美さん(高47回・母校書道科講師)の丁寧なアドバイスでそれぞれが納得のいく作品に仕上がった。印泥を借りて、渾身の力を込めて印を押す(真下に体重をかける)。紙から印をそうっと離し、自分の印影を見る顔は皆さん笑顔だった。


一人一人に指導する世古真由美さん

 また作業の合間には、真鍋さんから印や漢字のうんちくが次々と披露され、手を止めて聞き入るほどこれも興味深い。時間の制限が恨めしいほどだ。本当にあっという間の2時間だった。「楽しかった!」との声が上がった。機会があれば、ぜひ多くの方に体験していただきたい。


いつものように記念写真!
(2021.2.24)