安冨歩さん(高33回)を中心に/ドキュメンタリー映画「れいわ一揆」全国で上映
「ゆきゆきて、神軍」「ニッポン国VS泉南石綿村」などで知られるドキュメンタリー映画の第一人者である原一男監督の作品「れいわ一揆」が全国で公開され、大阪では第七藝術劇場で上映中だ(10月9日まで。以降未定)。昨年の参議院選挙で大きな注目を浴びた「れいわ新選組」を追ったものだが、中心となっているのは経済学者で東京大学東洋文化研究所教授の安冨歩さん(高33回)だ。安冨さんは堺市の若松台小学校、若松台中学校から母校に進学。京都大学卒後、一時銀行勤務をした後に研究生活に入り京大大学院修了、同大助手等を経て2009年から現職。「原発危機と『東大話法』」「誰が星の王子さまを殺したのか」「老子の教え あるがままに生きる」等多くの著書を持つ。2013年から女性装を始め、テレビなどメディア出演も多い。
昨年の参院選でれいわ新選組の比例代表候補として出馬した際は「こどもを守り未来を守る」をスローガンに、ミュージシャンや馬とともに街頭に立つという独特のスタイルで選挙活動を繰り広げた。
写真は選挙戦もいよいよ最終局面という2019年7月20日、母校から近い堺市役所前広場で行われた演説の時のもの。堺東に来るのはずいぶん久しぶりということで激変した風景、そして昭和校舎がなくなってしまったことにショックを受けたと語り、思わず涙ぐんで演説がしばし中断するシーンも。駅前で進む高層ビルの建設工事現場を背に「こどもを守ろう。どんな生き物もそうやってきた。そうでないと滅びてしまう。豊かなはずだが息苦しい社会、この暴走を止めるために何ができるか」と訴え、集まった聴衆は頷きながら聞き入っていた。
映画「れいわ一揆」は約4時間という長編。昨年11月の東京国際映画祭「日本映画スプラッシュ」部門で特別上映された後、今年1月にロッテルダム国際映画祭、2月にニューヨーク近代美術館(MoMA)で上映。その後、4月に公開される予定だったがコロナ禍の影響で遅れ、9月になって東京(アップリンク渋谷)を皮切りに順次全国公開されるに至った。大阪では第七藝術劇場のみ。
(2020.10.2)