三丘同窓会

松本清張史論に力を貸した考古学の泰斗・森浩一氏(中47期)     
 1950年代に社会派推理小説で世に出た松本清張は、60年代半ばから古代史の探求に取り組み、多くの作品を著したが、歴史学に全く素人の松本清張に専門家の立場から助言していたのは同窓の著名な考古学者・森浩一氏(中47期:同志社大学名誉教授)だった。
 森浩一氏の研究は広範囲におよぶが、前方後円墳の日本起源説に異を唱えて朝鮮半島起源説を提唱、他方、古墳から出土する三角縁神獣鏡は日本国内産であることを証明して従来の大陸渡来説を覆した。また、出土品の中から南方由来の装飾品があることを指摘し、古墳時代の研究にあたって東アジア全体を視野にいれることの必要性を主張して注目を集めた。
 なお、三角縁神獣鏡や銅鐸が日本国内産であることの立証にあたり、金属の専門家として同窓の久野雄一郎氏(中48期:元三宝伸銅社長)が大きな役割を果たされた。同氏については別項「銅鐸分析で定説を覆した中48期・久野雄一郎氏逝去」をご参照下さい。


平成21年8月12日朝日新聞
(2009.11.15)