成人先天性心疾患への移植に成功/高21回・中谷武嗣さん
国立循環器病研究センターは3月30日、重い心不全を患う修正大血管転位症の50代男性患者への心臓移植手術が成功したと発表した。執刀したのは同センターの高21回・中谷武嗣移植部門長らのチーム。中谷さんらは、生まれつき左右の心室が入れ替わるなどの異常があり、30代で心不全を発症、次第に悪化してきた患者に人工弁移植手術や植え込み型補助人工心臓装着などの治療を行ってきたが、今回ドナーを得て心臓移植を実施し成功した。移植手術に際しては心臓の構造が正常と大きく異なるため、CT画像から3Dプリンターで患者心臓の模型を作製して手術の方法を検討した。
成人心臓移植のほとんどは拡張型心筋症などの後天性疾患に対して行われ、成人先天性心疾患に対する移植は日本初。中谷さんは「先天性心疾患の成人でも心臓移植が可能であることを示せた」と話している。
2016年4月3日付毎日新聞
(2016.6.23)