三丘同窓会

桜の樹木医として活躍/高14回・鶴田誠さん  


 兵庫県神河町に、山の斜面を利用して世界の桜240種類3000本が植えられた「桜華園」がある。その桜を育ててきたのが樹木医の鶴田誠さんで、「家庭画報」の昨年4月号でも紹介された。
 平成の初め、神河町が「花の山を造りたい」と、県の林業事務所長だった鶴田さんに技術指導を相談。以前から桜の勉強をしていたこともあり、個人として協力することになったという。
 最初の植栽は平成3年、桜本来の美しさを活かそうと間隔を充分にとって苗木を植えた。5年後の開園に向けて養生や準備を進める中、ポスター用の撮影を引き受けたのが、高12回・三宅(旧姓・由井)宣子さんのご主人で写真家の信吾さん。母校の恩師・村田弘先生(昨年他界)の紹介だった。
 平成8年3月開園、鶴田氏によると「異常気象などで苦労の連続だったが、苦労していると手伝ってあげようという人が増え」、ボランティアの「桜援団」が組織された。
 手に取って眺めことができる桜の美しさが評判を呼び、昨年には入場者が1万人を突破、町の人口8千を超えた。「以前に観光バスで来たが、ゆっくりと桜を楽しみしたくて、また来ました」と話しかけられたのが嬉しかったと鶴田さん。
 現在は桜の樹木医として活躍の場は室戸(桜まつり)や北海道浦川町など全国に広がり、今年も同氏が手がけた桜が各地で多くの人を楽しませた。