阪神大震災を忘れない 発信続ける高58回・福井麻里子さん
本年1月16日付け産経新聞の特集「震災の若き語り部たち」に登場したのは、6歳のときに西宮市で自宅全壊を体験した高58回・福井麻里子さん。小学校の体育館で1週間の避難生活を送り、大阪市の祖母宅に一時身を寄せた後、堺市に移り住み、三国丘から同志社大学に進んで今春4年生になったが、「地震や、布団をかぶっとき!」と闇の中で叫ぶ父親の声が今も耳に残るという。その時の恐怖と避難生活での様々な記憶が現在も甦るが、家族は「思い出すのもいや」ということで家の中では話せず、震災を知らない友だちには話をしても理解してもらえず、随分苦しんだそうである。
そんな彼女だが、「助けてくれる人がたくさんいた。あのときは子供で何もできなかったけど、何か恩返しをしたい」との思いから、県外に移り住んだ被災者が被災の体験や思いを語り合うネット掲示板「離れても、忘れない。阪神大震災」を2年前に立ち上げ、現在は200人を超える会員と交流しており、阪神大震災から14年目の1月17日、ネットを通じて知り合った仲間と大阪市内のライブクラブでチャリティーコンサートを開いた。
そんな彼女に、同窓として心からエールを送りたい。
平成21年1月16日付 産経新聞から
(2009.6.20)