土井隆雄さん(高25回)、宇宙から帰還

忘れられない16日間 / 天文部3年生・内藤 武

土井さんの打ち上げ予定を知った一昨年、天文部では文化祭で寄せ書きを集め、それを写真と共にCDにおさめて土井さんに送ったところ、宇宙に携えて行ってもらうことになりました。
打ち上げが迫った本年2月、イベントの話が持ち上がり、打ち上げに合わせて学校でカウントダウンをし、校庭でペットボトルロケットを打ち上げるというもので、学年末考査終了後は毎日準備に追われました。ペットボトルロケットは、学年カラーをモチーフに赤・青・黄の3色を用意しました。

当日午後から視聴覚教室でNASA―TVのネット中継をスクリーンに放映しましたが、生徒や先生のほか同窓生や報道関係者で会場はぎっしり。シャトルと管制センターが交信する声も中継され、司会者が説明するたびに会場はどよめき、歓声がおきました。
そして3時28分、メインエンジンに点火され、エンデバーが上昇を始めた瞬間は歓声と拍手で興奮のるつぼ。中継の音声が聞こえず、残念ながらカウントダウンできませんでしたが打ち上げは大成功。土井さんは私たちの寄せ書きCDをもって宇宙へ飛び立ちました。

これらの模様は、関西テレビやフジテレビで放映され、新聞の紙面も賑わせました。
その後、3月22日午前5時4分、土井さんが滞在する国際宇宙ステーションが大阪上空を通過する写真の撮影に成功しました。漆黒の空を移動する大きな「星」、その「星」に人がいて、その一人が私たちの先輩で、それを地球で見ている自分達の存在を考え、壮大なスケールで人が繋がっていることに不思議な気分がしました。
エンデバーが地球に戻ってきた3月27日も天文部では、化学教室でNASAの中継を見守り、機体が滑走路にランディングすると拍手で無事帰還を喜び合いました。
今回の土井さんの宇宙飛行は、毎日が本当に刺激的で貴重な体験の連続で、「努力」(エンデバー)によって「きぼう」が叶うことを教えられた16日間でした。
