髙24回・籔内佐斗司氏がマスコットキャラクターを制作
彫刻家で東京芸術大学大学院教授の籔内佐斗司氏(高24回)が制作したキャラクターが2010年に行われる平城遷都1300年祭のマスコットとして採用された。コンペを経て21作品の中から選ばれたもので、マスコットキャラクターは氏の作品世界ではおなじみの童子姿を基本に、頭には鹿の角が生え、眉間には白毫、耳は仏像にみられる耳朶環状という姿。インパクトの強さゆえか発表直後から話題を呼び、今年の総会ゲストにも決定。氏から同窓会にコメントをいただいた。* *
何かとお騒がせしている平城遷都1300年祭のマスコットキャラクターは、日本人の精神文化の基底を成す神仏習合思想を表現したものだ。これに対し、ネット上の反対運動をおもしろおかしく取り上げるワイドショーなどの影響で、奈良県民こぞって反対しているかのような「虚像」が作られるさまには驚いた。しかし騒動の喧しさに隠れているが、主だった寺社は好意的だし、文化財調査で現地を訪れるたびに示された地元の好意的反応にはこちらが戸惑うほどだ。
もちろん当初から荒井知事も事業協会も軸足のぶれないきちんとした対応をしてこられた。ともかくこの騒動が、1300年祭を広く知らしめた功績は、誰しも認めている。芸能界の定説として、デビューしたときに強い拒否反応が出た歌手やタレントほど、あとで大化けするそうで、「あの子」がその定説通りであることを大いに期待したい。
4月15日には、晴れて「せんとくん」という愛称も発表され、いよいよこの事業のお手伝いを本格的に始めることができるようになった。今後の彼の活躍がとても楽しみだ。