山村で高齢者医療に取り組む十枝きみよさん(高12回)
彼女が勤務する診療所は、徳島県の山間部にある典型的な過疎地域にあり、患者の平均年齢80歳、しかも多くの老人が一人暮らしという山村です。その診療所で10年間、たった一人の医師として地域医療に取り組んでこられました。しかも、単に病人を治療するだけでなく、「最期まで楽しく、その人らしく」をモットーに、送迎バスサービスや、診察を終えた患者が集まって料理を作るというユニークなリハビリを始めました。訪問診療にも力をいれ、リハビリから食事まで、高齢者の生活の全てを支えようとする彼女の献身的な活動は、画面を見ていて感動しましたが、診療所を運営する町の財政が悪化し、町は来春廃止の方針を決めたそうです。現在彼女は、診療所存続を求めて奔走中で、診療所の今後が心配されます。
なお、十枝さんは母校からお茶の水女子大に進み、ごく普通に結婚して専業主婦をされていましたが、30代になって医師を志して徳島大医学部に再入学、42歳で医師となって大学病院に勤務、その後この診療所に赴任されたそうですが、意志の強さにも脱帽します。(写真提供=NHK)