和泉中央駅でコンサート
高4回・小野寺啓祐氏らの「ナレオ・アイランダース」
8月28日、泉北高速鉄道和泉中央駅コンコースで同鉄道主催のハワイアンコンサートが開かれ、およそ200人の聴衆が夏の午後のひととき、「バラが咲いた」「ベサメ・ムーチョ」や懐メロ、童謡メドレーなどバラエティーに富むプログラムを楽しんだ。出演したのは全員が70歳というシニアバンド、高4回・小野寺啓祐氏(堺市御池台在住)率いる「ナレオ・アイランダース」だ。
ナレオ・アイランダースはハワイアン全盛期の1953年、大阪市立大学の学生たちのバンドとして結成された。メンバーは小野寺氏(スチールギター)のほか、紙谷義和(ベース)、鈴木祥三郎(エレキギター)、家治芳一(ウクレレ)の各氏。このうち家治氏を除く3人は本校卒業生でもある。
バンドは1955年の卒業と同時に解散。その後はそれぞれの道を歩んでいたが、定年退職後、2000年を機に、実に45年ぶりに再結成。小野寺氏がサラリーマン時代に知り合った南谷竜男氏(ヴォーカルとサイドギター)が加わり、5人編成のバンドとしての活動を始めた。
「若い人たちと比べると音楽レベルは大したことないんです」(小野寺氏)と謙遜するが全国バンド自慢コンサート2002・入賞、社会人バンドウォーズ2003年・3位という実績もある。
「若い人はとかく自分たちのやりたい音楽をやりたがるものだが、われわれはお客さんに楽しんでもらうことを大事にしている。選曲もその時々のお客さんの年齢層を考え、ふさわしいものを。そして気持ちよく始まり、気持ちよく終わること、ていねいな演奏。これが大事だと考えている」(同)
この日のコンサートでも小野寺氏が手慣れた調子で曲の紹介などのトークを務め、観客は終始リラックスした雰囲気で音楽を楽しんでいた。1曲ごとに大きな拍手が起こり、15曲目の「星に願いを」の後では「アンコール!」の声も出る盛り上がり。最後は「ラ・クンパルシータ」の演奏でコンサートは幕を閉じた。学生時代にはなかったかもしれない余裕と気配り、年の功をフルに生かしたバンド。豊かな社会経験を積んだ熟年ならではの演奏スタイルがそこにあった。
(写真左端が小野寺啓祐氏、右端が紙谷義和氏、その隣が鈴木祥三郎氏)
(2004.8.30)