古代音楽の演奏にかける松本玲子さん(高29回)
同志社大学で美学・芸術学専攻だった松本さんは、大学入学と同時にエレクトーンを始め、在学中にエレクトーンフェスティバル全国大会に入賞、その後日本代表としてエントリーした国際大会でも優秀賞を受賞し、大学卒業と同時に日本一若い大学講師として高崎芸術短期大学に迎えられました。
もともと歴史に興味のあった松本さんは、遺跡から発掘された古代の楽器や、パピルスの断片や資料に残されているメロディーに惹かれ、「これら先人が残してくれた音楽的遺産とメッセージを新しい音楽として表現できないだろうか」とチャレンジを始めました。民族楽学者や古楽器奏者などの協力をえて、現在ほとんど聴くことのない古楽曲の演奏を試みたり、2200年前のギリシャ時代のメロディやシルクロードの敦煌遺跡から発見されたメロディを使ったオリジナル曲の創作など、ユニークな研究と演奏活動を精力的に続けています。
近年は、美術館や博物館でのミュージアムコンサートを中心に、各地の民話・伝説をもとにした脚本・作曲・演奏なども手がけ、パリの日本文化会館で国際交流基金助成公演を成功させるなど海外にも活動舞台を広げています。出身地の関西でも毎年のようにコンサートを行っており、今後の公演日程が決まればお知らせしますのでご声援下さい。
■松本玲子さんからのメッセージ
三丘時代は文化祭でバンド演奏するなど音楽大好き生活を送り、現在は群馬県にある高崎芸術短期大学で電子オルガンコースを担当しています。
最近は、各地の美術館や博物館で、展示内容にリンクした形でのコンサートに取り組んでおり、関西では平成12年に大阪府立弥生博物館、13年に京都国立近代美術館、14年に奈良県立万葉文化博物館と大阪府立近つ飛鳥博物館で行いました。弥生文化博物館では「卑弥呼の音楽会」ということで博物館所蔵の卑弥呼の復元衣裳を着用、近つ飛鳥博物館では飛鳥時代のいでたちで、また、京都国立近代美術館では開催中の「シエナ展」に合わせて中世イタリア音楽を演奏させていただきました。
このような開催中の展覧会とリンクしたオリジナルプログラムによるコンサートはあまり例がなく、美術館・博物館のスタッフの皆さんと毎回チャレンジ、試行錯誤の連続ですが、三丘時代に育てていただいた探求心とガッツ精神で新しい形のコンサートを創ってゆきたいと頑張っています。
■プロフィール
高崎芸術短期大学助教授、全日本電子楽器教育研究会実行委員、日本作曲家協議会会員。 NHKテレビ「お母さんといっしょ」「理科教室」の音楽担当、国立劇場の舞台音楽制作、「全国赤十字大会」の式典演奏などを手がけるほか、最近まで音楽雑誌「月刊エレクトーン」や「キーボードランド」に連載。
著書:「もっと素敵にエレクトーン」「もっとウキウキ ピアノ・エレクトーン上達法」(共に草思社)
CD:「MUSIC MUSEUM」(ビクターエンタテインメント)など
■平成15年公演予定
2月:群馬県文化振興会議での講演及び演奏
5月:上海でコンサート
6月:藤沢市にて日本の歌をテーマにコンサート
※写真は弥生文化博物館で(2000年11月=復元衣装を着て)
(2003.3.6)