三丘同窓会

第3回「ほれば印です」なごやかに開催

 2022年2月5日、三丘会館で第3回「ほれば印です ウルトラかんたん篆刻教室」が開かれた。企画委員会主催、講師はおなじみの真鍋井蛙(せいあ)さん(写真)。母校で長く書道科教諭を務め、退職後の今も大学講師として、書家・篆刻家として忙しい毎日を送る。現在、日本篆刻家協会理事長。
 今回は初めての人からすでにベテランの域に達した人まで、レベルも年代も様々な受講生15人が集まった。

 これまでと同じく、文字を転写する手順は下記の通り。

(1)印材の表面をペーパーでこすっておく
(2)印稿のコピーを印材にテープで貼り付ける
(3)黄色のマジックを塗る
(4)新聞紙などを重ねた上で、マジックを塗った面を下にし、体重をかけてぎゅーっと押し付ける
(5)紙をはがせば鮮やかに文字が転写されている

あとは篆刻用の彫刻刀(印刀)でひたすら彫っていく。「白文」なら文字の部分を、「朱文」なら文字の周りを彫って、削り取っていく。

 印稿をコピーする際はコピー機で、それも、母校にあるようなコピー機を使ったほうが良いとのこと。一般家庭にあるインクジェットプリンタのコピー機能を使ったものではうまくいかないそうだ。

 「マジックは寺西化学工業のもの、コピーは三国丘高校のコピー機で。これがコツですね」と真鍋さん。いや、学校に行くわけにも…という人はコンビニなどのコピー機でいいそうだ。


体重をかけて押し、転写する。やはり力を入れるときは自然と立って押すことに


実際に目の前で彫って見せる真鍋さん。とても簡単そうに見えるのですが、なかなか同じようには…


見慣れた自分の名前の文字がこんな形に

さて、今回の皆さんが挑戦する文字はこちら。


 参加希望者が申し込み時に自分の彫りたい文字を提出、これを真鍋さんが「印稿」にしたもの。右上から瑞、希、み、久、吉、雅、裕、M、曙、桃、康、ゆ、眞、日、K、鹿、福、よ。
 普段使っている字形とかなり違うのもあるんですね。

 漢字だけでなく、ひらがなやアルファベットがけっこう多い。
「よ」さんのお名前は「容子」。「ゆ」さんのお名前は「優子」。「優」は画数が多くて難しそうなので、と笑う。「M」さんのお名前は「美智子」だが「『美』はよくあるし、『シンプルイズベスト!』で」。
 「K」さんは今回、3回目の参加。苗字からとった漢字も名前からとった漢字も終わって、今度はアルファベットにしました、と。過去2回の作品は自作の水彩画に押してアクセントにしている。「K」は蔵書印にするそうだ。
 「み」さんは、ご自分のお名前ではなくお孫さんの名前「みゆ」ちゃんの一文字。「めいちゃんもいるので、今度『め』も作らないと」と楽しそう。

 参加者の中で最年少と思われる「希」さんと「瑞」さんは高70回(2018年卒業)。母校では同級生、今も同じ大学に通い、今回の教室も一緒に申し込んだという仲良し二人組だ。

 「曙」さんは、本名ではなく雅号から一文字とったそうだ。聞けば日頃から書道や水墨画を楽しんでおり、なんと、篆刻の自作集も持参。ベテランではないか! 「でも自己流なので一度先生に教わりたくて」とのこと。

 彫りながら「自分は器用なつもりやったけど、実は不器用だということがようわかった…」と言うのは「久」さん。「まさか石を彫るとは思わなかった…」と言うので「え、何を彫ると思ってたんですか」と聞くと「芋かと…」
えっ!

 字の選び方で後悔する人、出来栄えに満足げな人。ワイワイとにぎやかに時間は過ぎ、なんだかんだと言いながら皆さん、しっかり作品は仕上げた様子。最後はいつものように記念写真。みなさん、お疲れさまでした。
 真鍋さん(前列中央)の右、企画委員会の太田貴志さんが手にしているのは真鍋さんが昨年秋の第8回日展で特選を受賞した作品「變則通」の複製。真鍋さん、受賞おめでとうございます!


(2022.2.10)