三丘同窓会

インフラサウンドセンサー、再び宇宙空間へ

 宇宙ベンチャーのインターステラテクノロジズ(IST)が7月3日午後5時45分ころ観測ロケットMOMO7号機である「ねじのロケット」を北海道大樹町の発射場から打ち上げ、同機は高度約100キロに到達した後、午後5時55分に発射地点から南東約73キロの太平洋に着水した。MOMOの打ち上げは6回目で、宇宙空間到達は2019年5月のMOMO3号機以来2回目となる。

 MOMOシリーズには2018年6月30日の2号機から高知工科大学のインフラサウンドセンサー(超低周波音マイク)が積載されている。同大学教授で2018年10月には三丘アカシアトークカフェの講師も務めた山本真行さん(高41回=写真)が室長として率いるインフラサウンド研究室の開発したものだ。

 2019年5月4日のMOMO3号機は高度113.4kmに到達、成層圏上部から熱圏に至る領域での音波計測を実現した。4号機、5号機は失敗したが、スポンサーの都合で先送りされていた6号機はこの夏にも打ち上げられる予定。2017年8月に初号機が打ち上げられてから約4年ですでに6回という民間ならではの高頻度での打ち上げ。インフラサウンドを利用して津波察知など防災に役立てようとする山本さんらの研究の進展が加速しそうだ。

 インフラサウンド:大きな物体が動き、大気が押されたときに発生する、人間の耳には聞こえない超低周波音。流星が大気圏に突入する時や火山噴火でも発生する。

(2021.7.11)