三丘同窓会

高8回・見田宗介氏初の著作集を刊行
 著名な社会学者である見田宗介氏(高8回・東大名誉教授)の初の著作集(全10卷・岩波書店)が昨年8月から順次刊行され、引き続き真木悠介の筆名による著作集(全4巻)の刊行も予定されている。
 氏は、人の存在の細部に目を注ぎつつ俯瞰的に人間社会を考察することを通して「見田社会学」と称される独自の世界を築き、多くの若者に影響を与え、日本の社会学に新風をもたらした。東大の見田ゼミは氏の信奉者で常に満席だったといわれ、ここから多くの気鋭の学者が巣立ち、現代思想のさまざまな分野にも影響を与えた。また、真木悠介の筆名で狭義の社会学の枠を超えた思索を展開し、幅広い読者を獲得した。
 今回の著作集刊行にあたって氏は「生涯の仕事を一つの作品」として編集しておきたいと述べ、著作を全面的に読み直して今日の視点で重要な著作だけを収め、新たな考察を加えて書き直した著作もあり、注目を集めている。

(2012.7.11)