三丘同窓会

松井 章氏(高23回)に濱田青陵賞 
 
 去る7月27日、奈良国立文化財研究所埋蔵文化財センター長を務める高23回・松井章氏が第24回濱田青陵賞を受賞された。
 濱田青陵賞は、日本の考古学の水準を高めて学問としての地位を確立し、日本近代考古学の父と呼ばれる濱田青陵博士(1881~1938)を記念して創設され、考古学の分野で国内最高の権威があると目される賞である。同博士は梅原末治、末永雅雄、小林行夫ら錚々たる人材を育てたことでも知られ、晩年には京大総長を務めた。

 今回受賞した松井章氏は堺市浜寺出身で、小学校時代に近くの古墳発掘作業を目の当たりにして調査団の先生に教えを乞いながら遺物拾いをし、浜寺中学時代は四ツ池古墳の一角にあった校庭の隅を発掘して弥生式土器を掘り出したそうである。
 母校から東北大文学部考古学科に進んだ松井氏は、岩手県宮野貝塚や宮城県大木囲貝塚の発掘に加わり、貝塚から出土する獣魚骨にふれて各時代の生ゴミに着目、大学院時代にアメリカに留学して出土した動物遺存体について学んだ。
 以後、古代の生ゴミから発見される動物の遺体や魚介類、糞便などの研究に取り組み、「日本考古学における動物、環境考古学の確立と国際化」に貢献したとして今回の受賞となった。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科教授を併任。

 なお、平成21年に同氏は、三丘セミナーの講師に招かれて在校生に講演されました。
※画像は2011年10月7日付朝日新聞より

 
(2011.11.12)