三丘同窓会

トンパ文字に挑む書道家・有野琤扇さん(高12回)  
 平成15年ユネスコの世界記憶遺産に指定された「トンパ(東巴)文字」は、中国雲南省のナシ族のトンパ教の司祭に伝わる文字で、世界で唯一の「生きている象形文字」と言われる。絵文字に近い独特の象形文字で、同じ文字でも色によって意味が変わり、例えば黄色はお金や金持ちを、黒色は悪の意味合いを示すという。

 そんなトンパ文字に挑んでいるのが書道家の高12回・有野琤扇(そうせん)(本名・純子)さんである。有野さんは昭和35年に母校を卒業して大阪学芸大(現・大阪教育大)に進み、教職に就いて主として障害児教育に携わる傍ら書を始め、平成元年からは書に専念し、甲骨文と金文に取り組み、トンパ文字に至った。

 平成18年「from the UNIVERSE」を主題に初の個展を東京と関西で開いて注目され、本年1月「to the UNIVERSE - トンパの世界 -」と題して2回目の個展を同じく東西で開催したが、2回目の個展では作品に日本語と英語の解題を付した。その間に中国雲南省にトンパ文字伝承地を訪ねたり、書道ジャーナル文化事業団主催のヨーロッパ巡回書道展に同行してジュネーブで現地の人々に運筆を披露するなど、多彩な活動をしている。

左の作品は「星の種蒔き」(135×70)

 
(2011.7.30)