三丘同窓会

空手と進学 私を支えた二つの夢/三国丘高等学校2年 堀庭裕平 

 私は幼い頃から勉強と空手を頑張ってきました。小学校時代に三度の全国優勝、中学校時代には全国中学生大会で優勝という結果を残すことができました。
 私には、夢がありました。それはずっと憧れていた、三国丘高校への進学。空手の強い高校への進学を勧められることもありましたが、私はやはり、三国丘高校へ行きたいと思いました。しかし三国丘高校には空手部がありません。進学するなら、高校での空手は諦めなければならないと思っていました。
 そんな思いを抱え迎えた入学式の日、三国丘高校の校訓が「文武両道」であることを知りました。勉強だけでなく部活動にも力を入れている三国丘高校なら、空手を続けられるかもしれない。早速、先生方に相談すると、快く引き受けてくださいました。まさか高校で空手の試合に出場できるとは思ってもいなかったので、このことに感謝し、「文武両道」を目指して頑張っていこうと決心しました。
 6月中旬、アジアジュニア&カデット空手道選手権大会の代表選手に選ばれたという通知が届きました。この大会はウズベキスタンで開催され、30カ国が参加します。初めての海外試合への緊張に加え、学校の試験と重なり練習時間が思うように取れないという悩みもありました。しかし何より私を悩ませたのが、現地での体調管理です。現地の食事や環境に適応できず、試合当日は極度の下痢に襲われました。そんな時、日本から付き添ってくれた家族、コーチ陣のサポート、観客席からの声援…周りの人の温かさを、本当にありがたく感じました。
 イランとの優勝決定戦。「自分が勝って、日本チームに良い流れを作りたい」そんな思いでいっぱいでした。温かいサポートを力に、自分の持っている力を出しきり、アジアチャンピオンになることができました。試合終了の瞬間は、ただひたすら「勝つことが出来て良かった」という思いしか浮かんできませんでした。
 自分にチャンスを与えてくださった、全ての方々への感謝の気持ちでいっぱいです。 次は二年に一度の世界大会がスペインで開催されます。世界大会への出場とインターハイ出場を目標に、今まで以上に「文武両道」 を心に刻んで、 頑張っていきたいと思います。
 最後になりましたが、三国丘高校の先生方、本当にありがとうございます。三国丘高校生であることを、誇りに思っています。