三丘同窓会

母校が読売教育賞最優秀賞受賞/グローバルリーダー育成カリキュラムで
 第69回(2020年)読売教育賞の発表が10月29日にあり、「カリキュラム・学校づくり」部門で母校の「グローバルリーダー育成カリキュラムの開発」が最優秀賞に輝いた。11月20日に東京で表彰式が行われる。
 同賞は学校や地域での優れた教育実践を顕彰するためのもので、今回は全国から13部門に153件の応募があり、最優秀賞にはそのうち9部門、9件が選ばれた。

高校生ビジネスグランプリなどで着実に成果
 グローバルリーダー育成カリキュラムの中心になっているのは「Creative Solutions(創造的課題解決)研究」=略してCS=という授業。現在1、2年生全員(3年生は選択)が受けているが、当初は選択授業、それも文系だけのものとして「細々と」発足した。その後2014年に母校はSGH(スーパーグローバルハイスクール)指定校に、さらに2018年度から文理学科(課題研究が必須)のみの募集になるという、ここ数年の大きな変化の中で発展を遂げ、CSはSGHの取り組みの中心となっていく。また、現在ではSSH(スーパーサイエンスハイスクール)や他の課題研究もすべてCSのもとに統合され、学校として組織的に課題研究を実践している。

 SGHでは、日々のさまざまな課題研究活動に加え、生徒たちのうち希望者はフィリピンでのフィールドワークやアメリカの大学での特別講義などにも参加してきた。また、2年生の最後には「高校生ビジネスプラン・グランプリ」(日本政策金融公庫主催)にチャレンジ。2017年に続き、今年は2回目のグランプリを獲得した。受賞したのはスティックのりの容器の底に残ったのりも最後まで使いきれるようペリペリとめくれる構造の容器を提案したチーム「PeriPeri」。アイデアもさることながらプレゼンの素晴らしさも絶賛された。

SGHからSGPへ 同窓会も支援
 指定期間が5年間のSGHは2018年度で終わったが、これを継承・発展させていくための母校独自の取り組み「SGP(スーパーグローバルプログラム)」が三丘同窓会支援のもと、2019年度から始まっている。コロナ禍の今年もオンラインでアメリカ・リーハイ大学と交流、最終日にはアクションプランを発表し、英語で質疑応答を交わすなど生徒たちは積極的だ。

 CS発足当初から関わっている首席の田中和代SGH研究主任(高42回)は「学校として教育界で最も権威のある賞を受賞することができ、本当に嬉しく思っています。本校の探究学習には、たくさんの卒業生の方々のご支援をいただいています。また、SGHの指定期間が終わった後も、同窓会から資金的にご支援いただき、事業が継続できています。本当にありがとうございます。特に、川淵三郎先生(高7回、Jリーグ初代チェアマン)にはSGHの立ち上げの時からお気にかけていただき、生徒のグランプリ受賞や今回の受賞も大変お喜びいただいています。カリキュラムの骨子を作ってくださった西本昌二先生(高16回、国連開発計画開発政策局・元局長)は残念ながらお亡くなりになられましたが、ご家族がお喜びくださり、今秋の三回忌には墓前にご報告いただけるとのことです。
 11月20日には、東京で高円宮妃殿下ご臨席のもと、表彰式が行われます。卒業生の皆様の母校への熱い思いと共に臨みたいと思っています。引き続き、ご支援よろしくお願い申し上げます」と語っている。


田中教諭(左端)と生徒たち。2018年12月、東京で行われた文部科学省・筑波大学共催「全国高校生フォーラム」で、英語でポスター発表をした時のもの。右端は渡邉鈴予教諭。
 
(2020.11.3)