三丘同窓会

復興大臣から感謝状/東北被災地支援活動 高39回・秋田典子さん

感謝状を持つ学生たちと秋田さん(前列左から3人目)

 千葉大学大学院園芸学研究科准教授の秋田典子さん(高39回)が7月5日、吉野復興大臣から感謝状を贈られた。秋田さんが東日本大震災被災地に学生達とともに赴き、住民と交流をもちながら、7年にわたって支援活動に取り組んできたことが評価されたものだ。

 秋田さんは東京大学大学院工学系研究科で都市工学を専攻、東京大学国際都市再生研究センター特任研究員などを経て2008年12月から現職。土地利用や緑地環境管理、環境マネジメントを専門分野とする。
 千葉大学は、全国の国立大学で唯一、園芸学部を有する大学。明治42年(1909年)創立の千葉県立園芸専門学校を源流とする歴史を持ち、この分野では、アジア圏で最も伝統のある高等教育機関といわれる。最先端の園芸に関する研究に加え、防災と緑地の観点からランドスケープの研究にも力を注ぐ。東大で都市工学を学んだ秋田さんは、千葉大学に着任したことで「自ら汗を流して緑地空間を創造し、管理する取り組みにチャレンジする機会を得た」と語る。
 
2011年、キャンパス(千葉県松戸市)からそう遠くない地で東日本大震災が起こる。秋田さんは「1000年に1度といわれる大きな災害が、私が生きている時代に起きたことに対し、自分なりに何らかの責任を取るべきだ」と考えた。そして被災地支援活動を始める。宮城県石巻市や岩手県釜石市、大槌町、陸前高田市、千葉県旭市などの被災地に園芸学部の学生たちとともに赴き、がれき拾いや除草から始め、コミュニティガーデンづくりに取り組んだ。コミュニティガーデンが地元の住民同士を繋ぐだけでなく、子どもと大人、大学生と高校生、住民と支援者を繋ぐ場に、そして今と未来を繋げる場になればと考えている。活動に参加した学生の数は延べ1200名にのぼる。

 「私自身は、復興支援の学生ボランティアの引率と、土地利用分野の専門家としての、二足の草鞋を履いた状態で東北の復興に関わっています。三丘生の頃はとくに目立つこともない存在でしたが、3年間を通じて培った『自由の鐘を打ち鳴らし、高く理想を掲げる』精神は、現在の私の仕事を支える揺るぎない基盤となっています。これからも多くの後輩たちが、三国丘高校で培った叡智を活かして社会で使命を果たしてゆくことを期待しています」と秋田さんは語っている。

(2018.8.11)